予算議会
能登半島地震を受け、福岡市の防災対策を問う
日本共産党の堀内徹夫市議は、2024年3月7日に福岡市議会の代表質疑の補足質疑に立ち、能登半島地震を受けて福岡市の防災対策を抜本的に見直し、自助・共助を前提にした計画ではなく公助を第一にしたものに改めるべきだと求めました。その上で、公的備蓄の抜本増と分散配置、避難所となる小中学校体育館へのエアコン設置などを迫りました。
福岡市は防災アプリ「ツナガル+(プラス)」の機能拡充について災害対策の目玉として位置付けています。しかし、アプリは市民自らがダウンロードして初めて役立つことに象徴されるように、災害対策を市民の自助・共助にゆだねるものです。堀内市議は、自助・共助だけでは命も財産も守ることができず、公助を第一にした防災計画に見直すべきだとただしました。
福岡市には、国が位置付けている「主要活断層」として、市の中心部に存在する「警固断層」だけではなく、西側に「日向峠-小笠木峠断層」、東側に「宇美断層」が存在しています。しかし、市はこの2つの断層で発生しうる地震の被害について防災計画の想定に入れておらず、また、想定避難者数も2万5千人と12年前から変わっていません。堀内市議は、市の想定避難者数は全壊建物数と焼失建物数に住む人の数であり、半壊・一部損壊の世帯や自主避難する人の数を入れていないことを暴露。きわめて不十分であり、市として被害と避難者数の想定を見直すべきだとただしました。市長は「国や県の計画修正を踏まえる」と受け身の姿勢に終始しました。
能登半島地震では、3日過ぎても避難所に食事が届かないなどの状況があり、飲料水や食料、段ボールベッドなどを各避難所に備蓄しておくことの重要性が浮き彫りになりました。しかし、福岡市は博多区月隈の倉庫1か所に全市の8割近い物資が配置されており、道路の寸断などが起これば市内各地の避難所に届けることが困難となります。堀内市議は、公的備蓄について各小学校などを基本にした分散配置に切り替えて抜本的に増やすこと、あわせて能登半島地震でも大問題になった災害用トイレについても必要数増やすことを求めました。
災害時の避難所として小中学校の体育館が指定されていますが、エアコンが設置されておらず、暑さ・寒さに対応することができません。福岡市は移動式エアコンを民間協定で運んでくると言いますが、いつ届くかもわからず、その効果も疑問が残ります。堀内市議は、国が行っている補助も利用し、避難所となる全ての小中学校の体育館に一気にエアコンを設置するべきだと要求しましたが、市長は冷たく拒否しました。