9月議会
発熱外来の設置、中小業者支援、人工島事業の破綻を追及
日本共産党の堀内徹夫市議は2022年9月5日、福岡市議会の議案質疑に立ち、市による発熱外来の設置、中小業者支援、人工島事業について高島宗一郎市長にただしました。
市長は、医療機関が新型コロナのPCR等の検査を保険診療で行う場合、その自己負担分を公費負担とする議案を提案しました。
コロナ第7波の感染拡大により、発熱外来がパンク状態となり、民間医療機関の人員体制が逼迫していることから、そもそも検査を受けられない市民が続出しています。堀内市議は検査が実際に受けられるようにするためにも、市独自の大規模な発熱外来の設置を市長に迫りましたが、市長は「これまでも発熱外来の増設に取り組んできた」などと現状を見ない答弁をしました。
中小業者の実態について、堀内市議は福岡市の「中小企業振興に関するアンケート」を取り上げ、コロナの「悪影響あり」が88%に達すること、物価高騰の「影響が出ている」が約7割に及ぶことを指摘。市内のラーメン店が400円のラーメンを40年ぶりに値上げせざるをえなかったが「それでも営業が続けられるかどうか見通せない」という切実な声を紹介しました。
その上で、9月議会の補正予算案には中小業者を直接支援するメニューがないことを批判。前述のアンケートでも「補助金などの資金調達」を求める中小業者がトップであるのに、何も応えないのかと糾弾し、家賃・光熱費への支援、国保料減免などを盛り込んだ補正予算に組み直すよう市長に迫りました。市長は「物価上昇で厳しい経済情勢が続いている」という認識を示しながら、従来施策を自慢するだけになんら手を打とうとしない無策ぶりをあらわにしました。
市長は人工島の土地処分について「完売! 黒字150億円」と宣伝しています。しかし、堀内市議の質問で、青果市場・こども病院・総合体育館などの公共施設を移転させることにより土地分譲全体の約36.9%を市が税金で買い支えてきたことが判明。市長が宣伝しているのは、残った売りやすい土地だけを売ってようやく黒字になったものだと暴露しました。しかも、進出企業に立地交付金という名目で最大30億円もの「プレゼント」をつけたり、本来開発業者が負担すべきインフラ整備の肩代わりといった特別待遇をしたりするなど、あの手この手で税金投入をしてきたことも明らかになりました。
加えて、土地が売れずに行き詰った第三セクター・博多港開発株式会社の土地の買取に399億円をつぎ込み、増資・緊急融資で破綻を救済してきたことにも触れ、人工島事業全体では3940億円もの税金が投入されることが堀内市議の質問で判明しました。
堀内市議は「人工島に多額の税金をつぎ込んだことを伏せて『黒字が150億円』などと破綻した事業を覆い隠そうとする姑息な態度を改めるべきだ」として、反省を迫りました。
市長は人工島の莫大な税金投入と破綻の実態には何も反論することができず、「国内外から高い評価が与えられたことを嬉しく思う」などと無反省な態度に終始しました。
質問を終えて、堀内市議へのインタビュー