12月議会
外国人の人権保障、国保料引下げ、中3までの医療費無料など要求
日本共産党の堀内徹夫市議は、2018年12月13日、福岡市議会で一般質問に立ち、国民健康保険料、子ども医療費助成、学校の危険なブロック塀撤去・エアコン設置、外国人労働者の人権問題などについてただしました。
国民健康保険料については、保険料を引き下げるための市の予算(法定外繰入)が髙島市政の当初には71億円もあったのに37億円にも減っているとして元に戻すよう要求。また、均等割・平等割をなくすために、全国知事会の提案にしたがって1兆円の公費投入をするよう国に求めよと市長に迫りました。
市長は「保険料負担が重い」ことは認めながらも、法定外繰入については「他の市民との負担の公平性に欠ける」として増額に難色を示し、1兆円の公費投入を国に求める答弁はしませんでした。
子どもの医療費助成については、市長が導入した通院時の自己負担によって受診抑制が起きていると堀内市議は主張。「受診抑制による口腔崩壊が起きている」とする歯科医からの聞き取りをもとに、小学6年生までの通院の自己負担をやめるよう求めました。さらに、政令市の過半数で中学卒業まで通院医療費の助成が始まっているとし、年7.7億円あれば3万5000人に新たに無料化を実施できるとして福岡市でも中学卒業まで通院を無料にするよう求めました。
市長は「財源上の問題があり今後の検討課題」と答えるのにとどまりました。
市内の学校から危険なブロック塀の報告が87箇所もあげられているのに、12月の時点で撤去が完了しているのは1校にすぎない事実が質問で判明。堀内市議は、87箇所以外にも南区の弥永小学校では目に見えて傾いているブロック塀があり、対策が急がれると警告しました。市の悠長な対応は国が1年限りの補正予算までつけている緊急性を理解しないものだと批判し、臨時交付金を活用して直ちにすべて撤去するよう求めました。
また、学校の特別教室・体育館のエアコン設置には市の負担が約150億円かかると市教育委員会は9月議会で答弁していましたが、国の臨時交付金を活用すれば75億円ですむことが質問でわかりました。堀内市議は「ただちに国に交付金の申請をして設置できるようにすべきだ」とただしましたが、市長は申請するという答弁をせず、要求に背を向けました。
外国人技能実習生や留学生のアルバイトのひどい働かせ方が社会問題になっていますが、市の労働相談窓口もなく、国が推奨している「多文化共生推進計画」も存在しないことが質問で明らかになりました。
堀内市議は、政令市で計画を持っていないのは福岡市を含む2市だけであると批判。「髙島市長は観光に来る外国人のおもてなしは熱心だが、市内で働く外国人の人権保障にはまともな対策をしていない」と述べ、計画のある福井市では労働相談窓口があることや、やはり計画を持っている浜松市では全庁をあげた会議を毎年開催して多文化共生を話し合っていることを示して、計画を策定するよう提案しました。
市長は、多文化共生がその一部にしか書かれていない「総合計画」を「着実に推進する」と述べるだけで、多文化共生推進計画を策定することには応えようとしませんでした。