12月議会
「物価高騰の中で最低賃金の緊急的な引き上げを求める意見書(案)」への賛成討論
私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第17号、物価高騰の中で最低賃金の緊急的な引き上げを求める意見書案に賛成し、討論を行います。
物価高騰と国民生活の悪化が深刻になっています。現状を打開するためには、賃上げを軸に実体経済を立て直すこと、とりわけ内需を活発にすることに本腰を入れることが必要です。賃上げがカギであることは、政府も、日銀も、経済界も、誰もが否定しません。
大幅な賃上げが求められる中、私たちが最低賃金の緊急な引き上げを求めるのは、このことが地域経済と日本経済にとって重要な手立てとなるからです。
そもそも最低賃金とは、最低賃金法にもとづき国が賃金の最低限度を決めるものです。最低賃金の底上げは、最低限の生活という面でも、地域経済と日本経済の活性化のためにも急務です。
ドイツやフランスでは、すでに最低賃金は時給1500円に引き上げられています。日本でも、最低賃金が時給1500円になれば、1日8時間働いて、週休2日で、手取りで20万円になり、それは2100万人の非正規雇用労働者だけでなく、正社員も含めて、民間労働者の44%の賃上げになります。さらに、それ以外の労働者にも賃上げ効果がはたらき、働く人の暮らし、日本経済を良くする計り知れない力となります。
現在日本の最低賃金は、全国加重平均で961円にすぎません。政府の22年の「骨太の方針」も、「できる限り早期に」全国加重平均1000円以上を目指すと記述しており、先の参議院選挙では、自民、公明などほとんどの政党が最低賃金の引き上げを公約していたのです。
ところが、本議会中の議会運営委員会理事会では、これらの政党が本意見書に否定的な態度を取り、「中小企業への影響が大きい」等という意見も出されました。私たちは、中小企業に働く労働者の賃上げについては、中小企業への支援とセットで行う必要があると考えます。しかし、実際には自公政権が本格的な中小企業支援を怠っていることで、大幅な賃上げの障害となっているのです。
日本共産党は大企業の内部留保への課税でできる新たな10兆円の税収を中小企業の社会保険料事業主負担の軽減等に充て、全国一律最低賃金1500円を実現することを提案しています。
現にフランスでは、最低賃金の引き上げと中小企業への支援策をセットで行った結果、労働者全体の賃金上昇が持続しています。
実効ある物価高騰対策が急がれている中で、賃上げを政府も経済界も必要だとし、労働者・国民が切望している中で、最低賃金の緊急的な引き上げを求める提起を市議会が国に対する意見書として採択する意義は大きいと考えます。
以上をもちまして我が党の賛成討論といたします。